推し活ブームが続くなか、メルカリでは「推し活ハンドメイドグッズ」の需要が伸びています。ぬい服・トレカケース・推しカラーアクセサリーなど、推しに関連した手作り商品は根強い人気を持つジャンルです。ただし、推し活グッズには著作権・商標権という避けて通れない注意点があり、知らずに販売すると出品削除やアカウント停止につながることもあります。
推し活ハンドメイドとは、推しのイメージカラーやモチーフを取り入れた手作りグッズのことです。公式キャラクターの絵やロゴを使わず「色・雰囲気」で表現するのが、安心して販売するための基本です。
この記事でわかること
- メルカリで人気の推し活ハンドメイド5ジャンルと価格帯・難易度の目安
- 販売前に必ず知っておきたい著作権・商標権のOK/NGライン
- 商用利用可能な生地の探し方と、継続して売るためのコツ
- 梱包・発送で信頼を積み重ねるための実践ポイント
この記事を書いているのは、メルカリを中心に取引5,878件・評価★5.0を続けるハンドメイド作家のEriiです。Erii自身は和装小物を中心に制作・販売していますが、推し活ジャンルは作家仲間からの相談も多く、Apron Daysでは著作権の線引きでつまずく人を何度も見てきました。2026年6月の情報をもとに、売れるジャンルと「安全に売る」ための知識を整理します。
推し活市場は年々拡大しています。財務省の広報誌「ファイナンス」2025年11月号のコラム「推し活」によると、いまや15〜79歳の3人に1人が「推し」を持つとされ、世代や性別を問わず広く浸透しました。同コラムが引用する矢野経済研究所の推計では、「オタク」主要16分野の市場規模は2024年度に1兆90億円へ達し、2020年度から2024年度にかけて約50%拡大しています。さらに矢野経済研究所の2026年7月17日付プレスリリースは、キャラクタービジネス市場が2026年度に前年度比103.0%の2兆9,635億円まで伸びると予測しました。需要が伸びている分、参入する作家も増えており、権利を守りながら差別化する意識がこれまで以上に求められます。
目次
メルカリで人気の推し活ハンドメイド商品5選
ポイントは、安定して売れやすいのは「実用性」と「推しカラーの再現性」を両立した商品だという点です。まずは人気5ジャンルを、価格帯と難易度の目安とあわせて見ていきましょう。以下の価格帯はメルカリでの出品傾向をもとにした目安であり、正式に集計された統計や相場を保証するものではありません。時期や商品の状態、クオリティによって上下します。
| ジャンル | 価格帯の目安 | 難易度 | ポイント |
|---|---|---|---|
| ぬい服(ぬいぐるみ用衣装) | 500〜3,000円 | ★★★☆☆ | イメカラ再現で高値も |
| トレカケース・カードホルダー | 800〜2,500円 | ★★☆☆☆ | 初心者でも挑戦しやすい |
| 推しカラーのアクセサリー | 400〜2,000円 | ★★☆☆☆ | 色の組み合わせが鍵 |
| 推し専用ポーチ・巾着 | 1,000〜3,500円 | ★★★☆☆ | 遠征バッグとして実用的 |
| アクスタ台座・缶バッジスタンド | 500〜2,000円 | ★★☆☆☆ | 飾るインテリア需要が増加 |
肌感覚では、いちばん「伸びやすい」と感じるのはトレカケースとイメカラアクセです。ミシンが苦手でも始めやすく、推しの色を1色決めるだけで世界観が出るからです。推し活グッズを作っている人の多くは、まず1ジャンルに絞って完成度を上げると評価が安定しやすい傾向があります。
著作権・商標権について必ず知っておくこと
ここが推し活ハンドメイドで最も重要なポイントです。トラブルになるケースのほとんどは著作権・商標権・パブリシティ権の侵害に該当します。なぜなら、キャラクターの絵やタレントの名前・写真には法律で保護された権利があり、無断で商品化すると権利者から差止めや損害賠償を求められる可能性があるからです。
文化庁の「著作権について知っておきたい大切なこと」によると、他人の著作物を無断で複製・公開する行為には原則として権利者の許可が必要とされています。推し活グッズは「ファンの善意」で作られても、商業的に継続販売すれば私的利用の範囲を超えるため、注意が必要です。
同ページでは、「自分や家族だけで楽しむ(私的使用)」場合は許可なく著作物を使える例外があると説明されています。ただし、SNSへの投稿や販売のように一般に公開する利用は、この私的使用の例外にあたりません。推し活グッズを「作って楽しむ」段階と「売って収益を得る」段階では、求められる注意の度合いが大きく変わる点を意識しておきましょう。
著作権だけでなく、商標権や意匠権の視点も忘れてはいけません。経済産業省・特許庁の知的財産権Q&Aによると、キャラクターを無断で使用した商品には複数の対抗策があるとされています。権利者は商標権や意匠権、著作権を根拠に、販売差止めや廃棄請求、ライセンス料相当額の損害賠償を求めることができます。悪質な場合は刑事告訴に至ることもあるとされています(特許庁「知的財産権Q&A」Q7. 漫画キャラクターの無断使用対策)。
同Q&Aでは、商標登録や意匠登録、著作権のいずれも持たない場合の対応にも触れています。そのキャラクターが特定の商品・サービスの出所を示すものとして広く知られていれば、不正競争防止法に基づく請求ができる可能性があるとされています。つまり「イラストや名前さえ使わなければ絶対に安全」と言い切れる単純な話ではなく、グレーゾーンの判断は自己流にせず専門家に確認するのが安全といえるでしょう。
一方で、権利に配慮した推し活ハンドメイドにはメリットとデメリットの両面があります。下の表で整理しておきましょう。
| メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|
| 需要が大きく、ファン同士で広がりやすい | 著作権・商標権の判断が難しい |
| イメカラ表現は比較的低リスクで始めやすい | 公式グッズの模倣はトラブルに直結する |
| 少ない材料費で始められる | 継続販売は確定申告など税務の対応も必要 |
NG行為:やってはいけないこと
- キャラクターの絵・ロゴを無断で使った商品(例:アニメキャラをプリントしたTシャツ)
- 公式グッズの複製・模倣品の販売
- アイドル・タレントの顔写真・名前を使った商品(パブリシティ権の侵害)
- 商用利用不可の生地(キャラクター生地など)を使った販売
- 公式コラボ商品に見せかけた商品
OK行為:比較的安全に販売できること
- 公式キャラクターを一切使わず「イメージカラー」だけで作った商品
- 「○○カラーで統一」といった一般的な配色の商品
- 商用利用が明記された生地・パーツを使った作品
- ぬいぐるみ本体に手を加えない衣装(ぬい服)
グレーゾーン:判断が難しいケース
「ファンアート」としてのグッズ販売は、権利者によって対応が分かれる領域です。黙認されている場合もある一方、継続的な商業販売には法的リスクが残ります。メルカリも権利侵害の疑いがある商品には厳しく、通報されれば商品削除やアカウント停止もありえるでしょう。判断に迷ったら、自己判断で進めず弁護士など専門家への相談を。
「商用利用可能」な生地・パーツの探し方
ハンドメイド作品に使う生地は、販売に使ってよい生地かどうかを購入時に必ず確認してください。市販されている生地の中には、個人で楽しむ分には問題なくても、販売目的での使用が禁止されているものが少なくないからです。生地のタグや商品説明に「商用利用可能(商用可)」の表記があるかどうかが、確認の目安になります。
商用利用OKの生地が購入できる場所
- CHECK&STRIPE:商用利用可能を明記している商品が多い
- 日暮里繊維街:問屋街で商用利用の相談がしやすい
- ユザワヤ・オカダヤ:店頭で商用利用可否を確認できる
- KOKKA などのネット通販:商用可の記載を確認して購入
ディズニー・サンリオ・人気アニメなどのキャラクター生地は、原則として販売目的の使用はNG(個人使用のみ許可)です。Eriiも和装小物の制作で生地を選ぶとき、まず確認するのは柄の可愛さより「商用利用の可否」です。ここを早めに押さえておくと、後からの作り直しを防げます。
推し活ハンドメイドの梱包・発送で信頼を積み重ねるコツ
推し活グッズの梱包は、見た目の可愛さと壊れない安全性を両立させることがいちばんのポイントです。推しグッズは「壊れていたら悲しい」という気持ちが強いジャンルなので、梱包の丁寧さがそのままリピートや高評価につながりやすくなります。

Apron Daysでは、梱包資材のコストも売上を左右する要素として意識しています。あくまで感覚的な目安ですが、OPP袋は1枚あたり5〜10円程度、厚紙台紙は1枚30〜50円程度で購入できることが多いです。梱包コストを販売価格の5〜10%程度に収めると、バランスが取りやすくなります。
推し活グッズの梱包で気をつけたい3つのポイント
- アクリル製品はOPP袋+厚紙で角割れ防止:アクスタ台座やトレカケースは角が欠けやすいため、厚紙で四隅を補強してから防水のOPP袋に入れます。
- ぬい服・布小物は防水対策を優先:梅雨時期や夏場は湿気とにおい移りが心配なため、ジップ付き袋で個包装してから発送用の封筒に入れると安心です。
- 「推し」への配慮が伝わる一言を添える:メッセージカードやシールで「素敵な推し活を」といった一言を添えると、ファン同士の温かい取引につながりやすくなります。
とはいえ、梱包にこだわりすぎて赤字になっては本末転倒です。梱包のグレードを「通常便」「ちょっと丁寧便」の2段階に分けておき、単価の高い商品だけ厚めに梱包するという考え方も、推し活グッズを扱う作家の間ではよく聞かれる工夫です。梱包資材の選び方は、Apron Daysのハンドメイド梱包をおしゃれに仕上げる5ステップでも詳しく紹介しています。
推し活グッズで安定して売るためのコツ
権利を守ったうえで、売上を安定させるための実践的なコツを3つ紹介します。経済産業省の電子商取引に関する市場調査によると、フリマアプリを含む個人間取引(CtoC-EC)の市場は近年拡大が続いており、推し活ジャンルも例外ではありません。この3点を意識するだけで反応が変わったという声も多く聞かれます。
コツ1:ジャンルを絞って「専門店」になる
「推し活グッズ全般」より「○○系のぬい服専門」のほうが検索に引っかかりやすく、リピーターも付きやすくなります。得意ジャンルに絞って認知度を高めましょう。
コツ2:SNSとメルカリを連携させる
推し活コミュニティはInstagramやXが活発です。作品写真をSNSに投稿し、プロフィールからメルカリへ誘導することで、ファン同士のつながりから集客できます。なぜなら、推し活グッズは検索よりも「同じ推しを好きな人のタイムライン」経由で見つかることが多く、SNSでの共感がそのまま購入につながりやすいからです。消費者庁の取引ガイドブックによると、CtoC取引では出品者情報や取引実績の分かりやすさが安心感を左右します。詳細は消費者庁「デジタルプラットフォームを介した取引の利用者向けガイドブック」にまとめられています。SNSでの制作過程の発信は、この分かりやすさづくりにも役立ちます。
コツ3:ライブ・発売日に合わせて出品する
新曲リリースやライブのタイミングは推し活グッズの需要が高まります。1〜2週間前から出品を始め、需要の波に合わせるのが効果的です。商品写真の撮り方はメルカリハンドメイドの商品写真の撮り方も参考にしてください。
筆者(Erii)自身、2026年6月に商品の売れ行きが急に伸びた際、普段の仕入れ先だけでは材料の発注が追いつかず、複数の仕入れ先からかき集めて対応しました。人気ジャンルは需要の波が大きいもの。売れ筋が見えてきたら材料を少し多めに確保しておくと、機会損失を防ぎやすくなります。なおErii自身は和装小物の分野でもErii 和装小物店を運営しており、ジャンルは違っても「専門店化」と「在庫の波への備え」という考え方は変わりません。
価格設定に迷ったときは、原価と手間賃から逆算する考え方が土台になります。素材費・送料・プラットフォーム手数料に、自分の作業時間分の手間賃を上乗せしてから、他の出品者の相場を見て微調整するのが実践的です。価格の決め方は、Apron Daysのハンドメイドの価格設定ガイドでも詳しく解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 推しのイメージカラーだけの商品なら著作権は問題ありませんか?
A. 一般的な色の組み合わせのみであれば、著作権侵害には当たりにくいと考えられます。ただし商品名やタグで特定の作品名・キャラ名を強く打ち出すと商標やパブリシティ権の問題が生じる場合があるため、表現には注意が必要です。最終的な判断は専門家にご確認ください。
Q. ぬい服は販売しても大丈夫ですか?
A. ぬいぐるみ本体に手を加えず、商用利用可の生地で作った衣装であれば比較的安全とされています。ただし特定キャラクターの衣装を完全再現する場合は意匠・著作権の懸念が出ることもあります。
Q. ハンドメイド販売の収入に税金はかかりますか?
A. 一定額を超える所得が出た場合は確定申告が必要になることがあります。国税庁の案内などで最新の基準を確認し、不明点は税務署や税理士に相談してください。
Q. 推し活グッズの梱包で気をつけることは?
A. アクリル製品は厚紙で角を補強し、布小物は防水対策をしたうえで発送すると安心です。梱包コストは販売価格の5〜10%程度を目安にすると、利益を圧迫しすぎずに丁寧な梱包を続けやすくなります。
まとめ|権利を守って推し活ハンドメイドを楽しむ
要するに、安心して稼ぐためのポイントは次の4つです。
- 需要の高いジャンル(ぬい服・トレカケース・イメカラアクセ)に絞る
- キャラクターの絵・名前・写真は使わず、イメージカラーで表現する
- 生地は商用利用可を確認し、商標権・意匠権も含めて判断に迷う点は専門家に相談する
- 梱包は壊れにくさと丁寧さを両立させ、コストは販売価格の5〜10%程度を目安にする
推し活グッズは「同じ推しが好きな人に届ける」喜びがあり、やりがいの大きいジャンルです。Apron Daysでは今後も、作家Eriiの視点でメルカリ副業・ハンドメイド販売のノウハウを発信していきます。
最終更新: 2026-08-14
※本記事は一般的な情報提供を目的とし、現役ハンドメイド作家Eriiの個人の感想を含みます。著作権・商標権・税務の最終的な判断は、弁護士・弁理士・税理士などの専門家や公式窓口にご確認ください。
※2026年7月17日、特許庁の知的財産権Q&Aを踏まえた商標権・意匠権の解説と、梱包・発送のポイントを追記しました。
※2026年8月14日、文化庁・特許庁の一次情報への出典リンクを見直し、価格・梱包コストの記載が目安であることが伝わる表現に整理しました。
著者: Erii(Apron Days/Erii 和装小物店 店主。メルカリ取引5,878件・評価★5.0の現役ハンドメイド作家) / プライバシーポリシー ・ お問い合わせ


